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する必要がある(図2−3−4)。こうした外部と直接つながる情報機器は、数に限りがあるため集中的に管理することは可能である。

ファイアウォールは、単一の製品や技術を指すと言うより、むしろ様々な技術を組み合わせてネットワークの安全性を高めるための総合技術と言える。したがって、単にファイアウォールの部分だけでは完結せず、IPレベルの接続性からアプリケーション、オペレーションのレベルまでインターネット接続のすべての側面で関わりを持つと言える。ファイアウォールを構成する要素としては、ルーター、デュアルホーム・ゲートウェイなどのサービスホストがある。ルーターは、一般的にインターネットとの接続部分に使用されるが、多くのルーター製品はある程度のアクセス制限機能を持っている。したがって、ルーターのみで本格的なファイアウォールを構成することには無理があるものの、簡易もしくは補助的にルーターのアクセス制限をセキュリティ対策として利用することはしばしば行われる。

?A 標準化

情報・通信技術に関する各種の国際規格、国際標準の策定は、従来から国際機関であるISO(国際標準化機構)、ITU−T(国際電気通信連合・国際通信標準化部門)、IEU(国際電気標準会議)等が中心になって実施してきた。また、ISOとIECの両機関に共通する情報関連の基本技術については、両機関による合同委員会JTC1を設置し標準化作業を行っている。

しかし、こうした国際機関で制定された公的標準(デジュレ標準)は、標準化策定に多くの時間を要し、近年の急速な情報技術の革新に即座に対応していく柔軟性にかけていることから、今日では、実際にシステムが稼働しユーザの支持を得ているデファクト標準(事実上の標準)が主流を占めつつある。個々のネットワークが独自に標準化を必要としていた時代には、ネットワークの相互接続はOSIが切り札とされた。しかし、インターネットの急速の普及は、一部にはOSIとの融合が図られるとされるものの、これまでのこうした標準化の流れを変え、一気にTCP/IPを中心としたデファクト標準へと向かわせようとしている。

一方、インターネットをベースとしたECの実現に向かっては、通信関連プロトコルの標準化だけでなく、様々な分野における標準化への検討を欠かすことはできない。一般消費者が購買する商品は、一般的に製造業−卸売り業者−小売り業者−消費者のルートを経由する。このうち、製造業−小売り業者間の商品流通システムでは、

 

 

 

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